理容師の皆さんウィッグ練習してますか?
特にアシスタントの時に使う事の多いウィッグ。このウィック練習ってやり方、考え方を間違えるとうまくなるために不必要な時間を使ってしまうかもしれないんです。
特に理容師アシスタントの方、理容師専門学校在学中の方、理容師ジュニアスタイリストの方に読んでいただきたい記事です。
この記事を書いている岩澤もウイッグ練習めっちゃしました。
その経験からこの記事を書いています。
その練習の中で感じたのが「ウィッグ練習しても一定以上上手くならない」という事です。
理容師の方でウイッグ練習をしてるとなんとなく感じること、岩澤も感じてました。
その理由を理容師歴15年以上の岩澤がちょっと書いてみます。
その前に
ウィッグ練習のメリットデメリットっていろいろありますよね。
メリット
- ・いつでもどこでも練習できる
- ・カットだけではなくパーマ、カラー、縮毛矯正ストレートなどのメニューも出来る
- ・反復練習に適している(パーマのワインディングやお客様がやらないであろう全体8センチなどのセイムレイヤーなど基礎)
- ・持ち運びできる(がさばるけど)
- ・コンテスト系のやりこみスタイルは時間をかけて作れたり、ビビットな色を使えたりする
デメリット
- ・お金かかる(これは理容師アシスタントにとってはかなり痛い案件)
- ・置く場所をとる
- ・髪が傷んでいない(実際のお客様は毛先傷んでいてパーマやカラー、縮毛矯正ストレートなど痛みをどうカウンセリングして薬剤選定するかもすごい重要な勉強要素)
ワインディングなどの反復練習にはとても適していると思います。
毎回友達の頭をかりてスケジュール合わせて、お店に来てもらってパーマ全体かけたいから協力してっていう友達なかなかいないですよね…。
そんな時はウイッグ練習でマイペースにパーパスからシーラインからピンパーマ、ツイストパーマなど練習しちゃえばいいと思うんです。
逆にデメリットのデメリットはお金かかるってことですよね…。
理容師のアシスタント時代のウイッグは高いですよね。逆に安いウィッグ買っちゃうと毛量少ないし、あまり練習にならないので意味ないし…。
岩澤もすごい悩みました。でもコンテストってたので買わざるを得なかったのが正直なところでしたが。
アシスタント時代はお金にすごい困りました(笑)
ウィッグ練習うまくならない理由
ウィッグ練習で一定以上上手くならない理由ってすべて人間の髪の毛との差になるんだと思います。
- ・生え癖
- ・髪に質が一緒→乾くと出るクセとか経験
- ・耳が出っ張ってない
- ・動かない
- ・コミュニケーションからなりたい髪型を聞き出す練習できない
- ・緊張感がない
- ・顔も一人一人違うので似合わせの勉強ができない
- ・髪の毛のダメージ具合が一定なので薬剤選定が学べない
とかとか。
すべては経験になっていろいろなお客様のご要望に答えれる理容師になっていくんだと思います。
生え癖
生え癖はウィッグは均等に植わってますからね…。人間の場合、100人いたら100通りの生え癖があります。この生え癖を始めてカットするお客様でもしっかり見極めてコントロールするのは生え癖の経験値がとても大事ですよね。
その経験値はウイッグ練習では得られないものです。
髪に質が一緒→乾くと出るクセとか経験
髪のクセもそうですよね。
ウイッグはキレイなストレートの髪が植わっているのでクセ毛の対応も経験値として得られないものですね…。
このクセをコントロールしたり、長さを切ったらクセがどうなるとかでお客様へのカウンセリング時のアドバイスも変わってきます。そこから部分縮毛矯正ストレートなどのメニューに発展したりもしますし。
(不均等な髪のクセがあるウィッグあったら売れるのかな? ナオミちゃんじゃなく)
耳が出っ張ってない
ここもウィッグと人間とだいぶ違う所です。
まず人間と違ってウィッグは耳が出っ張ってないのでスタイルを作った時に膨らまないですよね。特にボブ以上の長い髪のスタイル。
耳が膨らんでいるからその対処としてオーバーダイレクションをかけたり、テンションに違いを持たせたりで耳が膨らんでいる部分を対処します。それが実感できないんです。
だってウィッグは耳くっついてるんだもん。(コスト的にしょうがない所?)
だからウィッグ練習はウィッグ練習を脱却できないんです。
女性スタイルでいえば耳掛けスタイルも出来ませんよね。サロンワークをしていると意外に多い耳掛けスタイルの提案だったりがウィッグだと残念出来ない。
(最近出来るウィッグ出てきましたよねアフロートさんのウイッグとか)
後耳周りをコーミングするときに緊張感がないですよね。
人間だと無意識で耳周りをコーミングしてコームを耳にぶつけたらお客様痛いですもん。
そんなコーミング一つでもウィッグと人間とで違いが出来来ちゃいます。(ちいさな違いだけど、結構重要な所。)
メンズの場合耳出しスタイルが多い分耳周りは注意して切らなければならないし(刈上げとか)
耳切ったら血出ちゃうし…。絶対やったらダメな奴ですよ。コームのあたり加減も耳周りはお客様も恐怖感があるので慎重にやらなければいけませんし。
動かない
ウィッグはカット中動きませんよね←逆に動いたら怖い(笑)
クランプから抜けちゃうことがあっても意識的に動くことはないです。
お客様の場合は
- ・動く人(特に子供キッズカット)
- ・雑誌見ていて頭の角度が下になっている人
- ・寝ちゃう人
など頭の水平を保てない状況がよくあります。そこもウィッグ練習だとない状況です。
そこを意識して練習する必要はないと思いますが、
左右の長さをチェックする時に頭の左右の傾きをしっかりチェックするとか
下を向いていてカットした後、真っすぐ向き直った時の横から見たシルエットやボリューム感の差など
やっぱり人間をカットしないとわからない、怒らない状況ってありますよね。
そこを考えると。
余談…
ちょっと特質かもしれませんが、赤ちゃんや子供のカットをすると動く頭のカットすごくうまくなると思います。
動きに合わせて切る順番を変えたり、臨機応変さが求められます。
しかも時間が長くかかると赤ちゃんや子供の機嫌が悪くなってカットを最後まで出来ないという事態も考えられます。
なので必然、安全に素早くの技術を求められるんです。
赤ちゃんカットをするとカット上手くなりますよ!!
カウンセリング(コミュニケーション)からなりたい髪型を聞き出す練習できない
ココも重要です。
純粋なカット練習の話からちょっとそれますが、いくらカット技術がうまくなってもお客様のなりたい髪型を聞き出して、お客様とスタイリストのイメージ像を一致させないと「こんな髪型を注文したんじゃなかった」って言われちゃいますよね。
そこも聞き出すコミュニケーション能力だったり、なりたい髪型を誘導しながら具現化していくのは、人間と人間のコミュニケーションでしかできない事。
ウィッグ練習だとウィッグしゃべらないし、性格もないし…。
ジャンルもあるので、モテ系のイイ感じとインテリ系のイイ感じは一緒ではないので、お客様の雰囲気も感じ取る感性も大事になってきます。
ここをうまく感じることが出来る人が売れるスタイリストなんじゃないかと思っています。
緊張感がない
人間の髪を切っている時って練習でも本番でもいい緊張感がありますよね。それはウィック練習には求められないものなのかもしれません。
友達が練習台になってくれたとしてもウイック練習よりもよくしてあげようとか早く切ってあげようとかいろいろな感情が出てきます。
その緊張感があるからこそ、日々の練習が頑張れるのかもしれません。
緊張感が人を育てるのかもしれません。
顔も骨格も一人一人違うので似合わせの勉強ができない
似合わせはお客様が望んでいるニーズの一つです。
カット方法のボブを例にとっても、「似合うように切ってください」ってカウンセリングの時に言われたらどうしましょう?
- ・レングスはどのぐらいが顔に合うかな?
- ・後頭部の段はどれぐらい入れたらいいかな?
- ・前髪の長さと形はどうしようかな?
- ・顔周りの段は入れるか入れないか?
- ・全体の重さはどのぐらいがベストか?
- ・毛先の質感はなじませる軽めかラインを残す強めか?
- ・生え癖、髪のクセはどうかな?
とかとか
いろいろな選択肢がある中で似合わせていきます。その似合わせはウィッグでの練習ではなかなか経験できません。
教える側も実際その頭の形や生え癖があるお客様を目の前にしないとアドバイスもしにくいので似合わせのレベルは上がっていきません。
この部分は実際の人間をたくさんかっとして練習した人がうまくなる部分だと思います。
それでいてとても重要な技術(似合わせと自分のカット技法の選択)なので、習得しがいがありますよ。
髪の毛のダメージ具合が一定なので薬剤選定が学べない
パーマやカラー、縮毛矯正ストレートなどをやるときに出てくる問題ですね。
バージン毛に対する反応はウイッグ練習でも確認できるのですが、お客様のダメージ具合って人それぞれですよね。ここの経験って実際に自分で考えて、薬剤選定をしてやってみてどうだったかという経験の繰り返しです。
そこから、前回こうだったから今回こうしよう。とか薬を変えてみようとか、置く時間を短くしようとか対処法を考えます。
パーマの持ちや、縮毛矯正ストレートのツンツンならないアイロンの温度設定とか還元具合とか、経験を積めば積むほど成功の確率が多くなります。
そうするとお客様に自信を持って薦めることも出来るんです。
お客様の感じている髪の不満はカットだけでは取り切れない場合も多いです。
そのカット以外の薬剤を使うメニューの練習は人間の生の髪に限ります。(傷んだ髪が難易度高くて勉強になります笑)
この経験が出来るのが練習の人間モデルの最大の強みでもあります。
最初は先輩と相談しながら、カラーの配合を決めたり、パーマの薬を選定してみたりと段階をふんで練習できます。
ウイッグ練習ではここまでの練習は出来ないですよね…。
ざっと書いてみましたが、ウィック練習をしたらダメとかやっても意味ないとかいう事ではありません。
上手くなるために効率よくウィッグ練習と人間の練習を使い分けて行うとより効果的にうまくなると思います。
岩澤の考える
ウィッグの適した練習は
- ・ワインディング
- ・ベースカットを覚えるまで
- ・セイムレイヤーなどの基礎的な練習
- ・ブロー練習
- ・コンテスト系の練習
- ・アップ、アレンジ系の練習
といったところでしょうか。
メリーフヘアーでもウィッグ練習しますし、人間モデルの練習もします。イイ所を使い分けて練習することでスピーディーにスタイリストになるカリキュラムがあります。安心してください。
人間モデル練習の場合はしっかり教えることはもちろんその人にあった切り方などウィッグ練習ではできない所まで学ぶことが出来ます。
失敗しても岩澤が直しますのでバックアップは万全。(しかも練習はウィッグ、人間モデルともに営業時間内に行います)
たくさん練習できる環境がメリーフヘアーにはあります。たくさん学びたい理容師アシスタント、理容師スタイリストの方、求人募集しておりますのでご連絡お待ちしております。